ふまじめ介護

日付:
2010年11月7日(Sun)
於:
獨協医科大学創立30周年記念館

今日は獨協医科大学創立30周年記念館関湊記念ホールにて、 田辺鶴瑛氏 の講演会がありました。 楽しみに出掛けてきました。題して、ふまじめ介護 ~涙と笑いの修羅場講談~

プロフィールの引用
昭和30年生まれ。19歳の時にお母様が脳動脈瘤で倒れ入院、植物人間となる。4年間の介護の後、23歳の時に母親は亡くなる。その後、ご主人と結婚。出産・子育ての後、義母が倒れて3年間の介護をされる。お義母様の死の直前、夢に田辺一鶴氏が現れる。講談修羅場道場開講の記事が新聞に掲載され、心を揺さぶられ弟子入りする。若い時に実のお母様の介護をされ、お義母様の介護をし看取られ、現在はお義父様の介護をされています。

仕事を続けながら、認知症のお舅さんの介護を、どんな風にされているのかと関心大でしたので2時間はあっという間。

お義母様の介護中、親戚の方が来て、あーせい・こーせいと言って帰る度、とても苦々しい思いをしたこと、 嫁がどれほど親切にしても、 息子のひとつの親切には叶わない、どんなに尽くしても嫁は他人なんだと思い知らされたとのこと。

姑の介護について、キーパーソンは息子(夫)であり、嫁は補佐役で良いのだということ。 ありがとうの言葉がどれほど介護者の気持ちを楽にするかということもお話されていました。

嫁一人が介護を抱えてはならない、サービスを利用することの重要性、一人で悩まないこと、仲間作りをしてストレスの解消をすることなども大切だとのこと。

仕事はやめなくていい、長い時間を介護するのだから、介護を頑張るのは最期の時を迎える時、1カ月だけで良いのだそう。それまでは自分のペースに介護を合わせていくようにすることだという。認知症の親を介護するにあたってのコツを、笑いを交えて教えて頂きました。

「嫁」の立場として苦労してこられた時期もあって、そのお話は興味深かったです。 時々私自身の中にも、義母に対して鬼のような感情を持つことがあり、私がいけないのかな~って思うことも多々あったけれど、そうじゃないってこともわかりました。いじめられた経験のある人を、優しく介護しようなんて、神様にしかできないそうです。 そうだよね~、やっぱりそうだよね~って思いました。

いじめられた人をいじめてしまうのは、人の感情として当たり前だそうです。でも、あまりお年寄りをいじめると、若い人(子供)が見て真似をする、自分もいじめられるから気を付けましょう って仰ってました。介護って、特に義理の仲での介護は、それまでの人間関係によって、かなり中身が違ってくるのではないかと思いました。

なかむらひろこ

「プロフェッショナル」を観て

日付:
2009年11月17日(Tue)

11/17(火) 22:00~ 「プロフェッショナル」を観ました。時々観ているのですが、昨日はたまたまTVを点けていたら、作業療法士 藤原茂氏のお話がやっていて、とても感動致しました。藤原先生は、山口市でデイサービスセンターを開設されています。半身麻痺の方が多くいらっしゃいます。

プールやゲームにも工夫が凝らされ、 料理の上手な女性には、片麻痺になってしまった方に、片手でもできる調理法を教える係となって指導してもらったり、ご自身の名刺をお客様にお渡しして、施設案内係を引き受けて貰い、 2時間たっぷりと案内をしてもらう仕事をお願いするなど、ご利用者との関係、距離感が全く違っていました。藤原先生ご自身の介護についての考え方、ご利用者との関わり方、 バリアアリー(バリアをつくる)の考え方など、目からウロコ状態でした。

役割をもってもらう、責任はあるけれど、病気になった人生を、もう一度輝かせてほしいと、 介護者とご利用者という関係を越えて、 人と人との関わり方をされていることに感動致しました。

確かにご利用者に自らやってもらえるよう、働きかけるのは大事であると重々承知しているのですが、 私もヘルパー時代に経験があるのは、リハビリのつもりで動いてもらっていても、そこで転倒して骨折してしまったら、それも自宅で介護者が私ひとりで起きてしまったら、 私だけの責任では済まないこと、事業所にも迷惑がかかること、 ご家族にも大変なご苦労をかけることにもなると、 ついつい臆病になってしまいます。

自分の介護能力が足りないから、だから怖いというのもありますが、どうしても守りに入ってしまうのが日常でした。自分が担当する時間は、なるべく穏便に済ませて、 何事無く過ごせればそれでいいと思っていたし、ご利用者も苦労をしたくないから、あれもこれもできないからやってちょうだいっていう状態。悪循環になるとはわかっていても、どうしても甘やかし、甘えの関係になってしまいます。

藤原先生の介護は理想です。あのような現場で働けたら、どれほど楽しいだろうと思うし、やり甲斐も感じるでしょう。少しずつでもご利用者の心身の状態が改善されるのがわかれば、介護者としてこんな嬉しいことはないですもの。

だけど理想と現実とのギャップに疲れ、働きかけてもやる気が持てない、依存傾向のままのご利用者を見るに付け悲しくなり、そういうストレスが介護職離れを起こす要因にもなっています。素晴らしい番組を観られて、本当によかったなぁ~って思いました。あんな施設長さんがいらしたら、仕事も楽しいだろうなぁ。

なかむらひろこ

ノルウェーについて学ぶサロン

日付:
2009年10月24日(Sat)

ノルウェー夢ネット主催のサロンに参加させていただき、あちらのケア付き高齢者住宅について勉強しました。ノルウェーっていう国がどこにあるのかも知らず、「高齢者の住まい」 について、とても興味があったので、夫婦で行ってきました。サロンの内容については、 所長のブログ でご覧下さい。

先生 (今回の講師:山田義文先生) のお話を聞いていましたら、 ノルウェーと日本とでは、家族関係に関して随分と大きな違いがあるようです。 日本では今でこそ結婚して独立することが多くなっていますが、 私達夫婦のように、結婚と同時に親と同居するケースもあるわけです。ノルウェーでは18歳になったら親元を離れ、 大学には自力で通います。と言っても、学費はすべて無料。 生活費だけをアルバイトしているか、ローンを組んで勉学に励むのだそうです。

親は一切手助けしないかわり、親の老後について、 子供が親の犠牲になって世話をすることも無いのだそうです。

結婚しても親とは別居。老後のお世話はヘルパーさんにお任せで、子供が何かを手伝うっていう習慣が無いのだそうです。高齢になってひとり暮らしができなくなったら、 ケア付き住宅に住み、介護度が上がってもそこで一生を終えることができるのです。だからといって親子関係が希薄なわけではなく、クリスマスは必ず家族と過ごします。 子供は年老いた親を訪ね、話を聞いてあげるなどのケアはします。

日本と違い資源を持っているから豊かですし、時間の使い方も働き方もまるで違います。 ノルウェーって写真で見ても空は綺麗、街並みも綺麗、建物も綺麗です。

ケア付き住宅に住むお年寄り達も、とても生き生きとした表情でおしゃれです。
外部とのコミュニケーションが図られた、開かれた住宅に住んでいます。ユニットケアで、スタッフさんが働きやすい環境が整っているそうです。

のんびりした国で、夕方は4時くらいには退社し、 山歩きに出掛けたり、夏休みは長期で休みを取って、別荘に行って過ごすそうです。仕事に〆切を持ち込まず、お休み優先のようですよ。 いいですね~。日本じゃ考えられないですね。

日本では介護保険が始まって10年近くになりますが、施設=隔離っていうイメージがまだまだあるし、 本人は自宅が良いけれど、在宅でも限界があります。 誰かを介護するって本当に大変で、毎日が仕事になってしまうから、本人は家が良くても家族が・・・そういうケースだっていっぱいあります。誰にでも老後は訪れる。親も大事だけど自分も大事。自分にだって老後は来るんですもの。
どんな風に年を重ねて行くべきか・・・考えさせられます。

なかむらひろこ

ページの先頭にもどる